【保存版】近世英文学とは?特徴・代表作・時代背景をわかりやすく解説|初心者向けガイド

近世英文学(Early Modern English Literature)は、16〜18世紀の英文学を指し、
シェイクスピアやミルトン、スウィフト、デフォー、オースティンといった作家が活躍した、英文学の基礎を作った時代です。

この記事では、
近世英文学とは何か/特徴/代表作家/小説誕生の背景
をわかりやすくまとめました。


目次

近世英文学とは?【16〜18世紀の英文学の基礎を作った時代】

近世英文学は、次の3つの時期を中心に発展しました。

  • 16世紀:ルネサンスと演劇の黄金期
  • 17世紀:宗教・政治の混乱と思想文学の台頭
  • 18世紀:啓蒙時代と小説(Novel)の誕生

現代の「物語文化」につながる、小説の成立が大きなポイントです。


近世英文学の時代区分

① ルネサンス期(16世紀後半)

エリザベス1世のもとで文化が繁栄し、
古典精神(ヒューマニズム)が復興。
この時代には演劇文化が急速に発展し、シェイクスピアが登場しました。

特徴

  • 人文主義(ヒューマニズム)の流行
  • 古典文学の再評価
  • 戯曲・詩の発展
  • 劇場文化の成熟

② 17世紀:宗教対立と政治の混乱

ピューリタン革命や王政復古など、激動の時代。
文学は思想性を深め、宗教・自由意志・政治の問題が重要テーマとなりました。

代表作はミルトン『失楽園』
壮大な叙事詩の中で、堕天使サタンの自由意志と、人間の罪が描かれます。

③ 18世紀:啓蒙思想と小説の誕生

理性・合理性が重視され、新聞や雑誌が普及した時代。
ここから、現代につながる「小説」というジャンルが確立します。

この時代の特徴

  • 出版文化の拡大
  • 女性読者の増加
  • 社会風刺文学の発達
  • リアリズム小説の成立

デフォー、スウィフト、フィールディングなどが活躍し、
後のジェーン・オースティンへと文学的流れがつながっていきます。


近世英文学の代表作家と作品

● ウィリアム・シェイクスピア(16世紀後半)

  • 『ハムレット』
  • 『ロミオとジュリエット』
  • 『マクベス』

心理描写と劇構造を革新し、世界文学の頂点を築いた作家。

● ジョン・ミルトン(17世紀)

  • 『失楽園』

宗教・倫理・自由意志をテーマにした思想的叙事詩。

● ジョナサン・スウィフト(18世紀)

  • 『ガリヴァー旅行記』

社会批判、政治風刺の代表作。啓蒙時代の問題を鋭く切り取る。

● ダニエル・デフォー

  • 『ロビンソン・クルーソー』

「個人の自立」を描いた初期リアリズム小説。

● ヘンリー・フィールディング

  • 『トム・ジョーンズ』

物語構造を体系化し、後の近代小説に強い影響を与えた作家。

● ジェーン・オースティン(18〜19世紀)

  • 『傲慢と偏見』
  • 『分別と多感』

18世紀小説の伝統を受け継ぎつつ、
心理描写・階級問題を繊細に描き、現代小説の礎を築いた存在。


近世英文学の特徴【英文学史における重要性】

① 人間心理の深い描写が始まった

登場人物が「悩む・葛藤する・考える」ようになり、物語が心理劇へ進化。
シェイクスピアはその中心的存在。

② 社会批評としての文学が成長

政治、宗教、階級制度への批判が多く描かれ、
文学が「社会を見るレンズ」として機能し始めました。

③ 女性作家と女性読者の増加

18世紀後半から出版文化が拡大し、
女性が文学を読む・書く機会が増加。
この流れの中でオースティンが登場。

④ 小説という現代の物語形式が成立

冒険小説、恋愛小説、風刺小説など、
現代の物語ジャンルの多くがこの時代に形作られました。


まとめ:近世英文学は“現代英文学の入口”

近世英文学は、
演劇 → 思想文学 → 小説
という大きな進化を遂げた時代。

  • シェイクスピア
  • ミルトン
  • スウィフト
  • デフォー
  • オースティン

彼らの作品に共通するのは、
「人間とは何か」を深く問う姿勢です。

英語学習者、文学研究者、大学レポートを書きたい人にとって、
近世英文学は絶対に押さえておくべき重要な基礎です。

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大人の学習塾

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